〔被保険者の分類〕で触れたように、年金には大きく分けて加入が義務付けられている公的年金と、加入が個人の自由である私的年金が存在します。私的な年金は老後における、一種の副次的収入にあたると理解してもらうと分かりやすいでしょう。
〔第三号被保険者と年金〕でも述べている通り、現在の年金制度の下では、特に第一号被保険者のように国民基礎年金のみでゆとりのある老後生活を送ることは厳しいといわれています。国民基礎年金によって夫婦がもらえる金額の満額平均は、65歳から18年間の平均生活費の、およそ半分程であるといいます。これでは老後の生活に不安を抱かずにはいられません。また、第二号被保険者においても一般的な生活レベルの人では、公的年金だけでは老後の平均生活費を越えないため、不十分です。まして、これからの時代は、私たち現役の労働世代が引退したときに受け取れる年金の額も減少していくことがほぼ確実であるため、今よりもっと、老後の生活は公的年金のみでは不十分になってきます。
そのような状況を早めに予測し、予め私的年金などによって万全の準備をしておくことが重要です。この準備を行うか行わないかで、老後に精神的にも金銭的にも豊かな生活を送ることができるかどうかが決まってきます。かつては、国や企業の保証に乗っているだけで老後の生活がある程度保証されていましたが、これからは、自らの手で豊かなセカンドライフを送れるように切り開いていかなければならない時代だ、ということ意識しておいたほうがいいでしょう。
2つの私的年金
職域年金
厚生年金基金・確定給付年金・確定拠出年金・適格退職年金・自社年金
→企業年金のこと
非職域年金
団体年金 →団体生命保険
個人年金 →生命保険(個人年金部門)
「非職域年金」については、詳しくは[個人年金保険ってどんな種類があるの?]以降参照
国民年金基金とは?
国民年金基金とは、自営業などの第1号被保険者がサラリーマン並みのゆとりある老後を過ごすことができるように、国民年金の老齢基礎年金に上乗せした年金を給付する公的年金制度で、平成3年4月に創設されました。
国民年金基金には「職能型」と「地位型」という二つのタイプがあります。職能型は、主として同じ職業の人で組織されており、同種の事業では全国で一つしか設立できません。弁護士・税理士・医師などが職能型に含まれます。一方、地域型は各都道府県に一つずつ設立されており、一定の資格のある人なら加入できます。
地域型と職能型の両方に加入したり、複数の地域型国民年金に基金に加入したりすることはできません。保険料(掛け金)は、地域型も職能型も同じで、年金の給付の型、加入口数、加入時の年齢によって異なり、それぞれ加入者が選択します。掛け金の上限は68,000円となっています。掛け金は、全額社会保険料控除の対象となり、所得税・住民税が軽減される。受けられる年金の額は加入口数のよって決まります。
厚生年金基金とは?
企業年金として、厚生年金にさらに上乗せする年金を支給するための基金です。
厚生年金基金は企業が独自に設立し、厚生年金の一部も代行運用し、厚生年金に対して独自の上乗せ部分を支給する仕組みになっています。 各企業によってその内容は異なるので、実際に自分で調べてみるといいでしょう。
適格退職年金とは?
国民年金、厚生年金などに上乗せする3階部分の年金です。
適格退職年金は企業年金の1つ。企業が従業員に支払う退職金を事前に積み立てておく制度のことで、税制上の適格要件を満たしているものを指します。信託銀行や生命保険会社などが取り扱っており、掛金は企業が支払いますが、その掛金は損金算入できるなど、税法上の優遇措置を受けます。
ただ、この制度は平成24年3月末までに廃止されるので、企業は(1)厚生年金基金、(2)確定給付企業年金(基金型・規約型)、(3)企業型確定拠出年金、(4)中小企業退職金共済、(5)制度廃止のどれかを選択しなければなりません。